私達がアルファにお世話になり続けた理由、それは、アルファには愛があるからに他ならない。
当初、私達が選択したのは、華麗なる実績を誇る大手塾の、しかもその中でも比較的大きな教室だった。子供がヒエラルキー構造に組み込まれることや、大勢の子供達に対する教員達の指導力、マネジメント能力に不安を感じてはいたが、塾の指導に従い、課題をこなしていれば、凡人である息子が覚醒し、華麗なる実績の一人に加わることへの期待の方が優ったことが主な理由だ。
しかし、程なくして息子の純粋無垢な目は輝きを失い、澱んだ雰囲気を纏う姿を目の当たりにすることになる。成績も同じ科目で偏差値が大きく振れ、全科目でも低迷していたがその塾では子供達の可能性に目を向けず、偏差値の低い科目は苦手科目と断じ、対策と言えば課題をこなすことに終始させる等、普段の対応から子供達に寄り添うケアを望むべくもなく、他の大手塾も同様と判断した私達が、中学受験を止めることも考えながらアルファの門を叩いたのは5年生の6月だった。
幸いなことに、入塾後、さほど時間を要さずに息子の澱んだ雰囲気は無くなり、アルファは楽しいと言うようにもなり、今にして思えば、この頃から、息子自身が受験に向き合える精神状態になったのだと思う。その後も、入塾当時のレベルからは、かなり難易度が高かった学校を自ら志望校と定めて、日々自分なりの努力を積み重ね、第一志望校合格という成果を得るに至った。
子供達が、どの塾と相性が良いか一概に言えず、全ての子供達にアルファを推薦することは憚られるが、アルファにせよ、大手塾にせよ、親は(少なくとも私は)授業詳細を知らぬが故に、授業そのものを比較できないが、双方を経験したからこそ感じるのは、アルファの先生方は、いかにすれば心に響くのかという点に焦点を当てておられるように思う。
この年頃の子供の気持ちに寄り添い、受験にトライしている子供達の精神状況を理解することに重きをおかれ、知識の多さも重要だが、それよりも心の有り様次第で成果が大きく変わると、そして何より中学受験の結果はゴールではなく、将来に向けてスタートラインに立つことだと折に触れて子供達に教える、これが、大手塾との大きな、且つ根本的な違いであり、私が勝手に理解するアルファの理念、特徴であり、私の感じたアルファの愛だ。
何事も賛否はあろうが、それでも私達にとっては、彷徨っていた息子に寄り添い、大きく伸びると信じてご指導下さった塾長と先生方、そして仲良くして下さった同期生の皆様との出会いがあったからこそのアルファ生活であり、末筆ながらご一同様に心から感謝申し上げたい。